33) 共に幸に生る「ともさち」を願う日本。

私たちの祖先(日本人)はこの列島風土のなかで、どのように自然と向き合い、地域・自然とのコミュニケーションを保っていたのでしょう。
祖先たちは、回帰循環する自然のなかで自分たち人間を遥かに超えた大いなる存在、光り輝くものを感じ、自然に対して深い畏敬の念を抱き、祈りつつ暮らしていました。同時に自然風土の恵みを実感し、感謝を忘れませんでした。
私たちの祖先は、「生かされて生きている」ことを自覚していたのです。
ここに、日本人の本質(精神基盤)を見ることができます。
つまり、私たちの祖先は、自然という大いなる存在とのつながりの感覚をもっており、そこから「自然と共にある」という感覚(安堵、喜び、幸せ感)が生まれ、自然への畏敬と感謝が日常の生活態度となっていました。
この精神基盤は、祖先・神仏・世間・家族に対しても、共に生きる「ともいき」の喜びと感謝の念(おかげさまの心)を持って暮らすことを「幸せ」と感じるようになりました。共に、無事に生きていることの有難さ、幸せです。大いなる自然のなかで、皆と共に幸せに生きる「ともさち」を目標に暮らしていたのです。
私たち日本人は、こうした精神基盤をバックボーンとし、3つの特質を備えています。自然と共に人と共に地域と共に生きる「ともいき」、外国からの文化文明と共に新たな価値を生み出す「ともうみ」。そして共に幸に生る「ともさち」を願う民族となったのだと思います。

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