6) 想像してみましょう。日本列島弧の誕生を。

太古、ユーラシア大陸の東の端にあった陸地部分が、ユーラシアプレート・北米プレート・太平洋プレート・フィリピン海プレート、そして活断層による地殻変動によって、ユーラシア大陸から離れて、独立した日本列島弧が出来上がりました。
このように、ユーラシア大陸の東に浮かぶ「海の国・島の国・川の国・森の国」になった時、日本の風土、そして日本の文化になるものの性格はある程度決定づけられたのでしょう。
われわれの祖先は、ユーラシア大陸という母胎から離された故に、母胎の文化を、ふるさとの文化を希求し続けたのではないでしょうか。
自然の豊かな日本列島弧で、人間の側から一方的に自然を見るのではなく、人間も自然の一部であるという観念のもと、自然の大きな回帰循環する時間の中で生きるということを「生活の知恵」とした祖先は、日本列島弧の「万物が気候に応じて変化するありさま」を勝れた五感でとらえ、季節の微妙な変化を生活に採り入れ、豊かで、きめ細やかな文化を形成してきました。
一方、自然の厳しさ、恐ろしさと自然の豊かな恵みとやさしさの同居する日本列島弧に住む祖先は、自然への畏怖・畏敬の念を持ち、それは自ずから祈りと感謝となり、自然と調和、和合し、生きていくという価値観、生活観を早くから感知したのです。
このように日本列島弧が出来上がって、日本人の精神的基盤ともいうべき「ともいき」「ともうみ」が成り立ってきたのです。

ふしぎの国、日本。「ジャパネスク」

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