23) クスノキ。

桜の花が散って、葉桜になる頃、若葉に覆われたクスノキの樹冠が日差しを浴びて金色に輝き始めます。
(赤い若葉と青い若葉があり、赤いものが多ければ全体として赤っぽく感じられ、ことに目に付きます。)
とても素敵な光景です。皆さんはこの時季のクスノキをゆっくりと眺めたことがありますか?
クスノキは常緑広葉樹で、紅葉することなく、やや黄ばんだ緑のままで秋から冬を過ごし、春の一週間ぐらいの間に、前年開いた葉をほとんど落とし、新旧交代します。
クスノキの新芽が出て金色に輝いた後、前年開いた葉を落とすのです。
(季語ではこれを常磐木落葉・トキワギオチバといいます。)
クスノキの仲間の枝葉に含まれる芳香性の精油成分は私たちにとても親しく、葉をちぎって広がるその香りから、その植物がクスノキの類であることがわかります。
(ゲッケイジュも同じ類です。なおクスノキの枝葉から樟脳を採取します。子どものころ、母が箪笥を開けると樟脳の匂いがしたのがしきりと想い出されます。きっと多くの人が持っている懐かしい記憶でしょう)
クスノキは日本産の樹木の中では最大級で、各地にたくさんの老木、巨樹、巨木があります。
クスノキについて辞典や辞書を調べていると、とても面白い言葉を見つけました。それは「くすのき学問」という言葉です。
クスノキは生長は遅いが着実に大木になるところから「進歩は遅くても、着実に成長していく学問ないし学問を大成させた人」を指すそうです。

●「うめのき学問」という言葉もあります。どういう学問ないし人のことでしょう。想像してみてください。
●“人と人、人と自然の「ともいき」から生まれた言葉の国、日本。”ですね。

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