60) NPO PTPLの「ともいき社会づくり」と「江戸しぐさ」。

「江戸しぐさ」(著者:越川禮子・発行:KKロングセラーズ)を読みました。
この本を本屋さんで見つけた時、咄嗟に、近江商人の「売り手よし、買い手よし、世間よし」という三方よしの心得が頭をよぎりました。
著者はこの本で、「今日の日本は高度情報化社会が進む一方で人と人の触れ合う機会が少なくなり、コミュニケーション不足によるさまざまな事件が増えています。
こうした背景には社会の秩序を乱す、自分さえよければいいといった、ひとりよがりの考えをしている人が多くなっていることが挙げられます。
そのさまざまな社会的課題を解決する活動のひとつとして、また安心な社会づくり、豊かな人づくりを目指して「江戸しぐさ」の普及、振興に努めています。
そして、「江戸しぐさ」という人付き合いは共に生きる「ともいき」の知恵であり、「江戸しぐさ」は見ず知らずの赤の他人や異文化とうまくやっていくためのノウハウで、「ともいき社会づくり」のモデルでもあります。
「江戸しぐさ」は、江戸商人のリーダーたちが築き上げた、上に立つ者の行動哲学で、人間関係を円滑にし、安心な社会づくりのカギになっていたといえます。」と言っています。
「和の精神」、「ともいき」の精神にもつながり、とても楽しく、おもしろく読ませていただきました。
また、著者は最後に「江戸しぐさ」を実践できる人などと大げさに言わなくても、人間として当たり前の小さな親切が自然にできるか、どうかが大切なのだと思います。
お年寄りを労わる気持ち、お互いに譲り合う姿勢、優しい挨拶や丁寧な言葉づかい、そうしたことを何気なくできる人が、これ以上消えないでほしいと心から願っていますと付け加えています。私もまったく同感です。

●以下の「ジャパネスク語り」を参考にお読みください。
4) 共に生きる「ともいき」という目に見えないジャパネスクとは。
5) 目に見えないジャパネスク「ともいき」と「ともうみ」。
16) 21世紀を生きるための両輪。
20) 目に見えないジャパネスク「ともいき」と「ともうみ」の新しい概念。
33) 共に幸に生る「ともさち」を願う日本。
50) 「ともいき」「ともうみ」がつくった「手漉き和紙」、ユネスコ世界無形文化遺産に登録。
勝田祥三(NPO PTPL理事長)

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